ブータンの光と闇

月曜日, 12月 12th, 2011 at 15:27

先月、新婚旅行で日本を訪れたブータンのワンチュク国王とペマ王妃。
被災地福島にも訪れ、鎮魂の祈りを捧げたり子どもたちに語りかけた龍の話など印象的で、連日報道も加熱する一方だった。
国王夫妻の来日によりブータンがブームとなったことは記憶に新しい。
ブータンには、幸福の尺度を量る「国民総幸福量」がある。物質的な豊かさではなく精神的な豊かさを目指すという目的から生まれた考えだ。
この国民総幸福量を中心としてブータンは政策を行っている。
量り方は綿密に手間をかけて行われる。2年ごとに聞き取り調査を実施し、人口67万人のうち、合計72項目の指標に1人あたり5時間の面談を行う。
8000人のデータを集め、数値化してから地域ごとの違いや年齢層の違いなどを把握するというものだ。
2005年に行われた初の国勢調査では「幸せ」と答えた国民が9割にも上ったという。
国民性も底抜けに明るく、とても親切。ブータン旅行が病みつきになったリピーターも多いらしい。
国王夫妻の好感度のおかげでこういった陽の面が際立つが、一方でブータンには難民問題という負の面も抱えている。
ブータン国内には難民はいない。ブータンから追い出された13万人もの人たちがネパール・インドの難民として生活しているのだ。
難民として国を追い出された理由は、1986年の国籍法に発端がある。外国人の配偶者を持つ人がまず追い出された。
その後、国勢調査という形の民族同化政策に反対した人たちが逮捕され追放されていった。そのほとんどは農民だったという。
ブータンの好意的な面ばかり取り上げ、この影にまで目がいくことはメディアの報道では一切みられなかった。
ブータンの光と闇。私たちはブータンという国を何も知らなかったのだ。

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